専門・認定薬剤師を目指す
- 2016.8.18
- 将来のキャリアを考えるなら資格取得
専門薬剤師と認定薬剤師とは
2016年に行われた調剤報酬改訂で注目されたのが「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の新設でした。この改訂で今後更に専門薬剤師や認定薬剤師の取得を目指す薬剤師が増える事が予想されています。では、専門薬剤師・認定薬剤師にはどんな資格があるか知っておきましょう。現在、専門薬剤師として認定されているのは、がん専門薬剤師や妊娠・授乳婦専門薬剤師、感染制御専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、精神科専門薬剤師などがあります。この他にも専門薬剤師という名を使わない各種認定薬剤師資格があり、その数は軽く30を超えています。分かりやすくすると、認定薬剤師は専門薬剤師の途上にあるものと言え、認定薬剤師の上が専門薬剤師となります。しかし、数の多さから乱立している、質の確保ができないと批判の声があります。認定薬剤師の取得を考える人はこういった点を考慮しながら決めましょう。
専門薬剤師で代表されるがん専門薬剤師などの専門資格は、取得難易度の高さから資格の質が保証されているようです。そもそも専門薬剤師取得を考える薬剤師は、その領域で何年かの経験を積んだ人がほとんどであり、資格がなくても現場で十分に活躍できるのです。その一方、実務経験や実績を持たなくても、講座を受けるだけで取得できる資格もあります。資格は実務に役立つ事で取得の意味をなします。実務で使えない資格はただの自己満足にしか過ぎないと言っても良いでしょう。
収益に貢献できる資格は強い
どんなに難易度が高い資格取得をしても、雇われる側と雇う側では資格に対しては温度差があります。雇う側がもっとも大事にするのは収益であり、雇う側で決定権を持つのは経営者です。収益が得られる資格を持っている薬剤師は経営者にとっては雇う意味がありますが、収益に繋がらない資格を並べられても経営者には魅力がありません。ですから、薬剤師はこのような経営者の思考を知っておく必要があります。医療は商取引ではありませんが、収益が上がらないと経営破たんしてしまいます。その為、収益に繋がる資格を保有している薬剤師は今後の出世を約束されたり、転職の際は大きく評価される部分となります。
スペシャリストを目指してみる
元々薬剤師は、薬物治療について広く浅い知識を持ち、全体像を把握する事を求められますのでゼネラリストの質を問われる職業と言えます。しかし、近年の医療発展に伴い、専門医や専門看護師が求められるように、薬剤師も専門性を求められています。その為、これから先を考えるなら専門薬剤師の資格取得を目指すべきだと思います。得意な専門分野を持つ薬剤師は、他の薬剤師との差別化にもなりますし、任される仕事も増えます。もちろん、従来のゼネラリストも大切ですが、その中に得意な専門分野を持つ事で今の医療に求められる薬剤師になる事が可能となります。
資格マニアにならないようにしよう
どんな資格でも、実践に活かせないものは取得しても意味がありません。まずは狙う資格が本当に意味があるのか、実践で役立つのか見定める事が必要です。単純に就職に有利だろうからと言って、実践に使えない勉強に時間を使うのは時間の無駄と言っていいでしょう。身になる勉強とは、自分の知識をブラッシュアップしたり、新たな知識を得られたりする事です。資格は実践で使えて初めて意味をなすのです。